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シンポジウム

「生と死」研究会 第12回例会 シンポジウム「被災地での活動」

日 時 2013年10月5日(土)14:40~17:50(受付開始 14:10)
場 所 東洋英和女学院大学大学院 201教室 (東京都港区六本木5-14-40)
電話:03-3583-4031
参加費 1000円。ただし国際宗教研究所の会員・役員は無料。
(世話人:島薗進・渡辺和子・細田あや子)

発題(1)西 洋子(東洋英和女学院大学人間科学部教授)
「蝶が羽ばたくと表現がつながる――石巻、東松島、そしてここ」

<概要>

月に1度、さまざまな領域の研究者や学生たちと宮城県の石巻市や東松島市に伺い、現地の方々との共創的な身体表現活動を継続している。幼児から高齢者まで、障害のある人を含む多様な身体が集う場では、思いがけない出会いやつながりが創られていく。共に在ることで生まれる新たな表現は、ささやかな居場所となって、身体に留まる思いと未来への希望は、表現の場に少しずつ染みでてくるかのようでもある。言葉のない自閉症児や表現の制限された子どもたちにとっても、そうであることを心から願っている。表現ワークショップの参加者の姿と変容を紹介しながら、その先の未来をみつめてみたい。

<プロフィール>

お茶の水女子大学大学院人間文化研究科修了(文学修士)、神戸大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程修了(学術博士)。専門は身体表現論、舞踊学。子どもの身体表現支援、精神科入院病棟でダンスセラピー等を実践。1998年に「みんなのダンスフィールド」を開始。年齢、性別、障害の有無等を越えて、表現を共に創る活動を地域社会で展開。お茶の水女子大学助手、学習院大学講師、本学准教授を経て2004年から現職。国立民族博物館特別客員教員・教授(2008~2011年度)、早稲田大学理工学術院客員教授(2008~)。

<主要業績>

「出会いと共振―「共振する身体」から「共振する生命」へ」『死生学年報2012』リトン、2012年。「表現するからだ:共創の原初、未来への跳躍」『計測と制御』51/11、計測自動制御学会2012年ほか。

発題(2)高橋 原(東北大学文学研究科 実践宗教学寄附講座 准教授)
「誰が話を聴くのか?――被災地における霊の話と宗教者」

<概要>

2011年3月の東日本大震災以降、被災地でいわゆる幽霊の目撃譚や、心霊現象の報告が聞かれる。その内容は怪談めいた噂話から、死者の霊に憑りつかれたという深刻な体験まで様々である。これらを非科学的な迷信や、単なる精神の異常としてではなく、大量の死者に直面した人々の心理として、ごく自然なものとして理解することはできないだろうか。霊についての悩みは誰にも相談できずに抱え込まれてしまう傾向にあり、一部の宗教者だけがそれを受け止めているという現状がある。この発表では、宗教者が霊についての悩みにどのように対応しているのか、いくつかの事例を紹介しながら問題点を考察する。

<プロフィール>

2004年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程(宗教学宗教史学)修了。博士(文学)。2002年、国際宗教研究所研究員。2007年、東京大学大学院人文社会系研究科助教(宗教学研究室)。2012年、東北大学文学研究科実践宗教学寄附講座准教授。専攻は宗教心理学。東北大学では公共的役割を担う宗教者である「臨床宗教師」 (日本版チャプレン)の育成に取り組んでいる。

<主要業績>

『ユングの宗教論―キリスト教神話の再生』、2005年。「臨床宗教師の可能性―被災地における心霊現象の問題をめぐって」『現代宗教2013』国際宗教研究所、2013。

発題(3)宇根 節(パストラルケアセンター HUGハウス スピリチュアルカウンセラー)
「町はホスピスになれないか?――被災地での心のケアに携わって見えてきたこと」

<概要>

津波によって多くの命を失う経験、またこれまで信頼し大事にしてきたモノ或いは価値が役に立たないという経験を迫られた大震災。それらの経験は被災地、南三陸町で暮らす住人の心(スピリチュアリティーをも含め)を今も大きく動かしている。自分自身と出会い、過去や今の命に向き合い、価値観を何処に置くか・・・など、まさにホスピスで死を前に自分や隣人、そして命に向き合う日々に共通している様に感じる。今、この経験をし、被災地で生きる方々と共に「ホスピスを生きれないだろうか」と考え、日々関わりや出会いを重ねている。建物としてのホスピスを作るのではなく、町がホスピスになれないか・・・。

<プロフィール>

1995年阪神大震災後に神戸入りし、野宿生活者への支援活動に従事。神戸に移住し、カトリック社会活動神戸センターに就任。2007年 臨床スピリチュアル・カウンセラー資格取得後、神戸「はやしやまクリニック」にてホスピスケアに従事。2011年3月東北大震災後釜石のお寺の要請に応え同月27日に釜石入り。震災後のグリーフケア・スピリチュアルケアに従事。同年5月よりカリタスジャパン釜石ベース心のケア担当。2012年8月に南三陸町へ移動、その後心のケア活動に携わり現在に至る。

「生と死」研究会 第12回例会 シンポジウム「被災地での活動」 チラシ

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