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ここでは、当研究所の最新ニュース(刊行物・シンポジウムのお知らせ)を掲載いたしております。 また、書籍のご注文はこちらからお申し込みになれます。 |
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◆新着刊行物 (1)『国際宗教研究所ニュースレター』最新号(定価\500) NO.71(11-2)
2011.7.25 目次 お知らせ 『現代宗教2011』刊行 「生と死研究会」開催 最近の宗教動向 国内の動向:藤本頼生「東日本大震災と神社・神職」 海外の動向:安田 慎「シーア派ウラマーたちの〈戦場〉―シリア・シーア派参詣における諸活動より―」 インタビュー 「汎太平洋の鐘と源覚寺平和の鐘慰霊ツアー」 本の紹介 特集:「社会のために働く宗教」 この一冊 新刊書リスト 2011年4月〜6月 エッセイ:宇都宮輝夫「無縁社会に生きる」 2011年度役員一覧 賛助会員一覧 国際宗教研究所について ※バックナンバー総目次はこちら |
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◆ 国際宗教研究所・宗教者災害支援連絡会共同主催 公開シンポジウム 「東日本大震災における宗教者の支援の現状と展望」 日時:2012年2月11日(土)午後1時〜5時(5時40分より懇親会) 場所:大正大学1号館2階大会議室(東京都豊島区西巣鴨3−20−1) (都営地下鉄三田線西巣鴨駅徒歩2分/JR埼京線板橋駅徒歩10分) 【パネリスト】(50音順) 板井正斉(皇學館大学准教授) 「災害・復興と神道文化――神社をめぐるエピソードから地域での役割を再考する」 川上直哉(日本基督教団仙台市民教会主任担任牧師/心の相談室 室長補佐) 「公共性の回復――宗教間協力の成果と展望」 山根幹雄(創価学会宮城県男子部長/宮城復興プロジェクト・リーダー) 「励ましの絆――創価学会の東日本大震災での取り組み」 吉田律子(真宗大谷派僧侶/サンガ岩手) 「呻く悲しみの中で」 【コメンテーター】 岡田真美子(兵庫県立大学教授) 【司会】 蓑輪顕量(東京大学教授)、弓山達也(大正大学教授) 2011年(平成23年)3月11日に起きた東日本大震災による未曾有の災害は、私たちの生活に甚大な影響を及ぼした。私たちは今、復興に向けて叡智を結集し、持てる力を投入している。震災は多くのものを破壊したが、同時に私たちは新しい社会や世界観を構築する場面に立ち会っているのかもしれない。 その中で宗教に対する期待は高まっている。震災直後から被災者の支援、避難所の提供、そして供養・追悼・祈り、心のケアなど、宗教者や宗教教団の営みに強い関心が寄せられてきた。これは宗教への無関心が7割を占めるわが国において画期的なことであり、私たちが築こうとしている新しい社会や世界観に宗教が正当に位置づけられつつあるのかもしれない。このシンポジウムでは、こうした復興支援において宗教が果たしてきた役割、これからの可能性について議論をしていきたい。また私たちは、この間、地域の芸能や年中行事といった宗教文化が、被災者の心を癒し、勇気づけてきたことを確認してきた。宗教の可能性に関して、宗教者一人ひとりの尽力やそれを束ねる力強い教団の動きとともに、こうした宗教文化が培う潜在力にも目を向けていきたい。 国際宗教研究所は1954年(昭和29年)に設立され、激しく変化する社会や宗教のあり方を的確に把握し、社会に対して宗教がどのような作用を及ぼしていくのかを見定めていくための情報交換と議論の場を提供すべく活動してきた。また宗教者災害支援連絡会は今年4月1日、宗教者による被災者、避難者の受け入れについての情報を提供し合い、さらにその働きを拡充する仕組みを作るために生まれた。二つの団体は、宗教の可能性を市民に開き、そこに宗教研究者が有効に関与することを目指している。このシンポジウムでは、宗教者、市民、宗教研究者の議論によって「宗教にできること」を考えていきたい。 シンポジウム終了後に第7回(財)国際宗教研究所賞(2011年度)授賞式と懇親会がございます。 ※参加費:無料 / 懇親会3000円 参加申し込みは、お名前、ご所属、懇親会のご出欠を添えてご連絡ください。 財団法人国際宗教研究所 〒165-0035 東京都中野区白鷺2-48-13 Tel/Fax:03-5373-5855 ![]() |
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◆第七回 (財)国際宗教研究所賞(2011年度)募集要項 (財)国際宗教研究所賞のページはこちら (財)国際宗教研究所は、内外宗教の研究を通じて宗教相互の理解を深め、ひいては人類文化の向上に資する目的で、1954年5月に設立されました。現在は日本の数十に及ぶ宗教団体や研究機関を賛助会員とし、また多くの個人会員に支えられ、的確な宗教情報の提供や宗教研究の推進、また宗教者・ジャーナリスト・宗教研究者の相互理解の深化を目指して、活動を進めています。 併設する宗教情報リサーチセンターの運営、定期刊行物『現代宗教』『国際宗教研究所ニュースレター』、『ラーク便り』の刊行、定期的なシンポジウムや研究会の開催、およびその成果の出版などを継続的に行っており、その活動は高い評価をいただいております。 このたび(財)国際宗教研究所では、昨年に引き続き、第七回の「国際宗教研究所賞」として、以下のような要項で広く応募者を募ることになりました。 (1)本賞は、今日的な問題意識に立つ宗教研究において優れた業績をあげたものに与えられる。 (2)研究業績の選考は、(財)国際宗教研究所の活動趣旨を踏まえ、(1)現代性、(2)国際性、(3)実証性などにおいて優れた点を有するものとする。 (3)応募者の年齢は、2011年3月末時点で40歳未満とする。 (4)対象となる業績は、2009年4月以降2011年3月末までに発表された刊行物、又は学位受理が終了した学位論文(博士)。 (5)応募は、自薦・他薦を問わない。 (6)選考人数は1名とする。 (7)賞金は30万円とする。 (8)受賞に準ずる業績と認められるもので、将来の可能性に富むと認められるものに、奨励賞を授与する場合がある。授与する場合は賞金を10万円とする。 (9)審査委員会は国際宗教研究所の役員5名で構成し、委員長は理事長とする。 (10)応募締め切りは2011年7月末日(研究所必着)とする。 (11)審査結果公表および授与式は当研究所主催の公開シンポジウム(2011年度秋〜冬頃を予定)に合わせて行う。 (財)国際宗教研究所賞 申請について (1)当研究所所定の申請書に必要事項を記入し、審査対象業績1部とともに、上記締め切り日までに、(財)国際宗教研究所宛に送付すること(審査終了後、業績は返却しない)。 (2)申請書作成上の注意 【住所】【電話番号】【E-mail】は審査期間中に連絡可能なものを記入すること。 【略歴】には主な学歴・職歴を記すこと。送付業績が学位論文でなく刊行物のばあいは学位に関しても記すこと。 【業績の種類】は刊行物か学位論文か、いずれかに○をつけ、該当欄に記入すること。 【業績の日本語要旨】は1000字程度で記すこと。 (3)なお、申請書のファイル(MS Word)は財団のホームページよりダウンロードできる。 (4)不明の点については、下記連絡先の研究所賞係までお問い合わせ下さい。 〒165-0035 東京都中野区白鷺2-48-13 電話(FAX兼用) 03-5373-5855 ホームページ http://www.iisr.jp/ ![]() 財団法人国際宗教研究所(理事長・星野英紀 所長・島薗進) | |
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◆第六回(財)国際宗教研究所賞(2010年度) 受賞者及び受賞業績 オリオン・クラウタウ 『近代思想史としての仏教学――国民国家と僧風刷新の歴史記述』東北大学提出博士論文、2010年3月 受賞理由 オリオン・クラウタウ氏の受賞業績「近代思想史としての仏教学――国民国家と僧風刷新の歴史記述」は、近代国民国家の形成過程で「日本仏教」の歴史がどのように描かれ、特徴づけられていったかについて、明治期から現在までを展望しようとした労作で、日本仏教史の自己理解の言説史として斬新であるとともに、現代日本においてもなお「日本仏教」がどのように理解されているかをふり返る上でも示唆的な、現代的意義の大きい業績である。
クラウタウ氏は近代的な「仏教」の歴史的理解や概念構成が、日本においてどのように形づくられていったかという大きな問題を立て、その研究動向を概観した上で、日本における仏教学や歴史学・思想史学など関連分野における仏教史叙述のあり方に焦点をあてる。そして、鎌倉仏教を重視する「日本仏教」の叙述パターンがどう定まっていくかという問題と、「近世仏教堕落論」がどのように形成されていくのかという、関連し合った二つの課題を設定し、二部構成で論じていく。
第一部では、まず、明治初期には仏教を日本のそれに限定せず普遍化して捉えようとする傾向が強かったことが示される。帝国大学で最初に仏教を講じた原担山はそうした方向で仏教学を構成しようとしていた。こうした方向をとった原担山には国民精神と関連づけて仏教を論じる傾向は見られなかった。ところが、原担山を継いで帝国大学の仏教講座を担当した村上専精となると「日本仏教」への傾きが強まる。「日本仏教」を掲げる著作は村上以前にもあったが、村上のそれは宗派の祖師に重きを置いたものとなる。とりわけ、日露戦争の頃から宗派仏教の優越性を強調するようになり、鎌倉新仏教こそが高い価値を達成した指導者たちであったと主張されるようになり、大正期以降の高楠順次郎は家族国家論を取り込んだ日本仏教論へと発展させる。そして、さらに第二次世界大戦期の国体論に寄り添う花山信勝や、哲学的な「否定の論理」に依拠する家永三郎の、ともに聖徳太子と鎌倉仏教を際立たせる日本仏教史観に受け継がれていく。 第二部では、近世仏教堕落論の始まりが明治初期の「僧風刷新」の潮流に求められる。「僧風刷新」を動機とする仏教批判は慈雲の正法律運動に見られるように、すでに近世から存在するが、明治維新後、神仏分離や廃仏毀釈の潮流の中で、仏教勢力が連携して国家への貢献と国家からの再評価を追求する過程で自己反省の形で大きな論調となっていった。明治元年に結成された諸宗同徳会盟を淵源とするこの論調は、その後、「日本仏教史」や「日本宗教史」を掲げる書物に度々表れる定番となっていく。だが、近世仏教堕落論を堅固に見える学問的記述と結合したのは辻善之助であり、一九三一年以降のことだった。しかし、彼のその見方はすでに一九〇二年の論文において表れている。実証性が高いと見られてきた辻の業績だが、ステレオタイプ的な評価が下敷きになっていることは見逃せない。また、真宗の立場や国家協力に肯定的な政治的立場が背景にあることも忘れるべきでない。辻によって確立した近世仏教堕落論は第二次世界大戦後においても、多くの学者に引き継がれており、大桑斉や高埜利彦らによってそれを克服するような見方が提示されるようになったのはようやく最近のことである。 以上のように、クラウタウ氏のこの論文は、明治期から現代に至る日本仏教史において支配的であった固定観念的な見方の主要なものを取り上げ、その形成・展開過程をたどり、批判的に見直す視座を提示したものである。現代においてもなお、日本の仏教界や関連学界、また人々の日本仏教観に深く浸透していてなかなか自覚されにくい諸前提を露わにし、もっと現実に即した日本の仏教史の見方ができるようにするための基礎作業が積み重ねられ、大きな図柄が描き出されている。 やや図柄が単純化されすぎており、日本仏教観の多様な表れや微妙な変化のニュアンスが見えにくくなっているという難点はあろうが、大きな展望の下にここまで先行研究によく目を通し、関連資料を調べ上げた力量はりっぱなものであり、現代日本の宗教が抱える実践的な諸問題に応じるための示唆を読み取ることも可能である。よって本選考委員会は、本業績が国際宗教研究所賞を受賞するに久しいものと判断する。 2011年2月19日
(財)国際宗教研究所賞審査委員会 受賞者経歴 Orion KLAUTAU オリオン クラウタウ
1980年、ブラジル生まれ。2002年サンパウロ大学歴史学科卒業。2010年東北大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、日本学術振興会外国人特別研究員。専門は宗教史学(近代日本仏教)。 主要業績
「近世仏教堕落論の近代的形成――記憶と忘却の明治仏教をめぐる一考察」
(『宗教研究』第354号、2007年) “Against the Ghosts of Recent Past: Meiji Scholarship and the Discourse on Edo-Period Buddhist Decadence” (Japanese Journal of Religious Studies, 35/2, 2008) 「原坦山にみる明治前期仏教言説の動向」 (『日本仏教綜合研究』第7号、2009年) 「大正期における日本仏教論の展開――高楠順次郎の思想的研究・序説」 (『日本思想史学』第42号、2010年) 「十五年戦争期における日本仏教論とその構造――花山信勝と家永三郎を題材として」 (『佛教史學研究』第53巻・第1号、2010年) 受賞者及び受賞業績 岡本 亮輔 『ポスト世俗化の宗教変容と宗教社会学の再構築――現代フランスの聖地巡礼についての宗教社会学的研究』筑波大学提出博士論文、2010年3月 受賞理由 本論文は、現代宗教社会学の中心的な課題の一つ、即ちポスト近代、ポスト世俗化状況における新たな宗教性の生成やその特質の解明という課題について、一方で欧米宗教社会学の「世俗化論」の展開を後期近代化の社会理論に照らして綿密に再検討することを通して、またもう一方で現代フランスを中心とした現代西欧社会における聖地巡礼の具体的事例の掘り下げを通して、即ち理論と実証の両面から斬りこんだ意欲的な研究である。
理論篇とも言うべき第T部では、世俗化論に関しこれまでになされた様々な議論及びその最近の展開を広く渉猟し、錯綜した議論や問題点を巧みに整理するとともに、ポスト世俗化の宗教変容のあり方について著者独自の新たな理論的視座を提示している。それは宗教の私事化の進展、宗教の個人選択の拡大といった従来の世俗化論を引き継ぎつつも、個人は意味やアイデンティティの調達を、決して十全な自律性によってではなく、自らが帰属する社会文化的文脈との関係性の枠内で選び取るとする「私事化の文脈依存モデル」である。そして従来の私事化モデルが暗黙に想定する自立的、自律的な「強い信仰者」像を批判し、自らの信仰を他者や他集団との相互作用の中で不断に問い直して再構築する「弱い信仰者」像をよりリアルな現代人の姿として対置している。世俗化に関する諸学説の検討、整理として周到であるとともに、提起された新たなモデルは私事化の個人主義儀的モデルに対する現実的な修正案として説得力がある。 こうした理論的な見通しの下に、更に実証篇の第U部ではフランスを中心とした現代西欧社会の聖地巡礼(ブーム)が取り上げられて検討される。そこでは奇跡のメダル教会の巡礼、サンティアゴ巡礼といった従来型の巡礼だけでなく、テゼ共同体やイベント型の「大会巡礼」といった現代型の新しいタイプの巡礼も含めて、様々なタイプの現代の聖地巡礼に光が当てられる。ツーリズム研究などの現代的視座も取り入れつつ、特にそれらの参加者の様態ついて、それぞれ現地でのフィールド調査、参与観察、聞き取り調査を駆使した細やかな分析が加えられている。そして従来からのキリスト教(カトリック)信者とは異なる様々な人々が自由に参加し、それぞれ異なる聖性・真正性の追求や体験が生まれている姿が生彩ある筆致でくっきりと描きだされている。自らの理論的枠組みに適合的と思われる対象に焦点をあわせているとはいえ、それらは概ね著者の主張する「私事化の文脈依存モデル」を実証的に裏づける内容となっている。 前半の理論部分と後半の事例の検討では研究や議論のスタイルを異にするにもかかわらず、それぞれ読み応えがあり、しかも理論の提示と具体的事例によるその検証という関係において、論文全体としての統合度は高く、著者の力量の高さを窺わせる。 勿論残された課題も少なくない。著者の主張するポスト世俗化期における「宗教的共同性の再構築」については、個人化した聖地巡礼の事例からは必ずしもくっきりとは浮かび上がってこない。個人化した巡礼における一期一会的な出会いがどのように共同性に繋がってゆくか疑問も残る。 また、著者の主張する「私事化の文脈依存モデル」自体が、カトリック文化圏という文脈に依存してはいないのだろうか。カトリック文化圏の聖地巡礼はそもそも参加や関与の自由度の比較的高い民俗宗教的な宗教実践であり、現代の聖地巡礼のブームもそうした土壌の上に展開しているとも考えられる。しかしそのような文化資源が脆弱な地域で果たして同じような状況が生じるのかどうかも検討の余地があろう。 こうした検討課題は残されて入るが、本論文は現代社会における宗教性の表出の特質は何かという宗教社会学上の根本的な問いに正面から立ち向かい、既存の学説、理論についての綿密な検討をベースに、興味深い現代的現象にフィールド調査の手法で肉薄することを通して、新たなしかもクリアーな像を提起した独創性の高い研究成果であり、国際宗教研究所の定める審査基準に照らして、同研究所賞受賞にふさわしい業績として評価できる。 2011年2月19日
(財)国際宗教研究所賞審査委員会 受賞者経歴 岡本 亮輔 おかもと りょうすけ
1979年東京都生まれ。筑波大学大学院博士課程人文社会科学研究科修了(2007〜2008年までフランス社会科学高等研究院に留学)。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員PD。専門は宗教社会学・宗教学。 主要業績
「私事化論再考――個人主義モデルから文脈依存モデルへ」
(『宗教研究』81(1)号、日本宗教学会、2007年) メレディス・B・マクガイア『宗教社会学――宗教と社会のダイナミックス』 (共訳、明石書店、2008年) 「聖地の零度――フランス・テゼ共同体の事例」 (『宗教と社会』15号、「宗教と社会」学会、2009年) 「現代フランスにおける新共同体の展開と聖地巡礼――聖地の再構成と大会巡礼」 (『哲学・思想論集』28号、筑波大学哲学・思想学会、2010年) 「信仰なき巡礼者――サンティアゴ・デ・コンポステラへの道」 (山中弘編著『宗教とツーリズム』世界思想社、2011年) ◆「生と死」研究会 第10回例会 財団法人国際宗教研究所は、東洋英和女学院大学・死生学研究所との共催で第10回「生と死」研究会を下記の要領で開催いたします。参加ご希望の方は、10月24日(月)までに国際宗教研究所にメール(info@iisr.jp)でお申し込みください。なお当日の受付も行います。 日時:2011年10月29日(土)14:40〜17:50(受付開始 14:10) 場所:東洋英和女学院大学大学院 201教室 東京都港区六本木5-14-40 電話03-3583-4031(大学院事務室) 参加費:1000円。ただし国際宗教研究所の会員・役員は無料。 シンポジウム「生者と死者の交流」 発題(1)小川有閑(国際宗教研究所研究員) 「自死者と遺族の対話」 <概要> 家族や親しい人を亡くすことは、大きな喪失感や悲しみをともなうが、ことに自死の場合、一方的にコミュニケーションを断絶されることになり、遺された者の衝撃ははかりしれない。喪失の悲嘆のほかに、さまざまな深刻な心理的動揺が生じ、常に答えのない答えを求め、自分を責める毎日を過ごすことも多い。だが、それは、自死者が存在しない「無き人」になったのではなく、自死者と遺族の関係が生前よりも濃密さを増しているとも言える。この関係をしっかりと結ぶことが遺族にとって重要なのではないか、また、そこに宗教者が関わる可能性はあるのか、問題提起をしたい。 <プロフィール> 2000年 早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。2003年 東京大学大学院人文社会系研究科修士課程(宗教学宗教史学)入学、2005年 同博士課程進学、2010年 単位取得満期退学。2007年より財団法人国際宗教研究所研究員、現在に至る。また、2008年より僧侶として「自殺対策に取り組む僧侶の会」等で自死対策に関わる。研究テーマ:現代仏教、近代日本宗教史。最近は、僧侶の自死に関する活動やその意味などに関心を持ち、実践のかたわら、研究を進めている。 <主要業績> 「自死者のゆくえ―僧侶なりの自死遺族支援の形」国際宗教研究所編『現代宗教2011 特集・現代文化のなかの宗教伝統』秋山書店、2011年。 発題(2)西尾温文(順天堂大学医学部附属順天堂医院がん治療センター臨床心理士) 「親を亡くした子との交流」 <概要> 母親をがんで亡くしたAとの心理面接(プレイセラピー)によるグリーフケアを報告する。Aは小学校2年生。入院した母親の疼痛コントロール目的で緩和ケア依頼が出される。母親から、緩和ケアチームが相談を受ける。相談は、まだAにはがんとは話していない、病気の治療と言っている、今後、化学療法をやると髪も抜けるし、どう話したら良いかという内容だった。心理士がかかわり、亡くなる1週間前に父親がAに母親の状態を話す。Aは、どのように母親の死を受け止め理解したのだろうか。Aとの遊びを通して感じたこと、考えたことを話したい。 <プロフィール> 1977年 丹誠塾設立。1978年 早稲田大学法学部卒。2001年 NPO遊学会設立。2001年 立教大学文学部心理学科3年次編入。2002年 立教大学大学院文学研究科臨床心理学専攻前期課程。2004年 立教大学大学院現代心理学研究科臨床心理学専攻後期課程。2008年より現職。研究分野:小児精神腫瘍学。 研究テーマ:小児のがん診断時の保護者の病気の理解の仕方が保護者の心理的苦悩に及ぼす影響。小児のがんの診断及び治療ががんの子ども及び保護者の心的外傷後症状の要因になるのかについて。 <主要業績> 「ユトレヒトコーピングリスト19(UCL-19)の信頼性と妥当性」『立教大学心理学研究』46, 2004年。「小児のがんの子どもを看ている保護者の心理的状態とサポート―CHIP(The coping health inventory for parents)を用いて―」『小児看護』29, 12, 2006年。「小児のがんの子どもを抱える保護者への心理的援助」『立教大学臨床心理学研究』1, 2007年。 発題(3)棚次正和(京都府立医科大学大学院医学研究科教授) 「スピリチュアルケアと人間の存在構造」 <概要> 末期患者が抱くスピリチュアルペインに対するケアは、「スピリチュアルケア」として我が国でも次第に認知されつつあるが、医療従事者にとって「スピリチュアル」の概念は馴染みがなく、対応に苦慮しているというのが実情である。本発表では、「人間の存在構造」を問う立場から、スピリチュアルペインが生じる要因として実存の根本条件や諸制約に着目し、そこに由来するスピリチュアルペインの特性を浮き彫りにした上で、スピリチュアルケアが行なわれるべき方向性を探ってみたい。このスピリチュアルな次元を視野に収めることは、人間存在の全体像を捉えるためには不可欠となる。 <プロフィール> 1979年 京都大学大学院文学研究科博士課程(宗教学専攻)修了。1992年 筑波大学哲学・思想学系助教授(宗教学・比較思想学)、1998年 同大学同学系教授を経て、2002年より京都府立医科大学教授(人文・社会科学教室)、現在に至る。その間、1995年-1996年 シカゴ大学神学校・高等宗教研究所上級研究員、1998年 博士(文学)京都大学。研究テーマは、祈りの一般研究、医学哲学、人体論、スピリチュアルケア論など。最近は、国際科学振興財団の村上和雄氏との共同研究「祈りと遺伝子」、医学研究者との共同研究「医学概論・医療原論」に取り組んでいる。 <主要業績> 『宗教の根源―祈りの人間論序説』世界思想社、1998年。『宗教学入門』(編著)ミネルヴァ書房、2005年。『祈りの人間学―いきいきと生きる』世界思想社、2009年。 (世話人:島薗進・渡辺和子・細田あや子)
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◆新着刊行物 (1)『国際宗教研究所ニュースレター』最新号(定価\500) NO.64(09-3)
(2)『現代宗教2009』〈特集〉変革期のアジアと宗教2009.10.25 目次 お知らせ:宗教情報リサーチセンター移転のお知らせ 最近の宗教動向 国内の動向:中西尋子「日本における韓国キリスト教会の展開」 海外の動向:伊達聖伸「現代ケベックにおける「倫理・宗教文化」教育とライシテ」 インタビュー:松浦悟郎氏「大阪希望館の活動について」 本の紹介 特集:星野靖二「賀川豊彦」 この一冊 新刊書リスト 2009年7月〜9月 エッセイ:望月哲也「石橋湛山の立正安国」 委員会報告 2009年度役員一覧 賛助会員一覧 国際宗教研究所について ※バックナンバー総目次はこちら ※サンプルページ(PDF)をご覧になれます。
【対談】中村哲・金子昭・島薗進 「草の根から見るアジア」
渡辺雅子 「アジアの人道問題への日本宗教の取り組み――WCRP・ACRPの場合」 ランジャナ・ムコパディヤーヤ 「社会参加仏教(エンゲイジド・ブッディズム)――アジア仏教徒の社会的行動そして日本仏教の可能性」 ダンカン・ウィリアムズ(訳・堀江宗正) 「ハイブリッドな日本とグローバル時代における宗教」 【対談】川並宏子・馬島浄圭・川橋範子 「仏教を開くアジアの女性たち」 田中雅一 「スリランカの民族紛争――その宗教的位相」 西井凉子 「「他者」をめぐる考察――南タイにおけるムスリムと仏教徒の関係から」 山下明子 「インドの宗教・社会統合・ジェンダー――ダリッド女性の解放運動の視座から」 鈴木正崇 「宗教演劇から世界遺産へ――南インド・ケーララのクーリヤーッタム」 【随筆】町田宗鳳 「カリスマからスピリチュアリティーへ」 宮田義矢 「中華民国期における新宗教の動向――第二の赤十字を目指した世界紅卍字会」 菅浩二 「「神社跡地」とみたま送り――台湾と日本の狭間の、ある心霊主義的事例」 香山洋人 「アジアの神学としての民衆神学の課題――民族主義から脱植民地主義へ」 滝澤克彦 「モンゴルの民主化とキリスト教」 2008年の宗教動向 【国内】塚田穂高 「現代日本における宗教性の行方――社会問題化する宗教、靖国神社問題、宗教の「社会貢献」の一年から」 【海外】大澤広嗣 「ボーダーレス時代の現代宗教問題」 ※一般書店でも販売されていますが、直接、国際宗教研究所にご注文いただく場合、送料サービスでおわけしています。今後も、毎年、4月の刊行を目指しています。また、内容につき、ご意見、ご批評をお寄せ下さいますよう、お願いいたします。 |